星のや京都さんのお豆スツール 2 

2012/11/27 by


こちらのお豆スツール、厳しい納期でしたので、
度々お世話になってます、樹輪舎京都さんにお助け頂き、私も彼らの工房で合宿状態で制作しました。
力を結集しての完成!本当にありがとうございました。


星のやさんをイメージした、定番の3本脚と4本脚のお豆を先ず制作し、
実際に現場にて確認させて頂きました。
支配人様、ぱっと見た瞬間「4本脚、素敵!」と決定して下さりほっと安心。
いろんな年代の方が座られるので安定感があるこちらでないといけなかったのですが、
最初3本脚のお豆を気に入ってくださっていたので、、。
もともとの形をアレンジすることは難しのです。
「後から作った感」がでたら困るなと思っていたのですが、
もともとあったかのように、、でもとても瑞々しいものとなりました。

お豆スツールは基本一品ものの制作。
お客様や板の雰囲気にあわせて、そのつど微妙にアレンジしているため、
あれこれ迷って作っています。

妥協なく「星のやさんにぴったりのエレガントなスツール」を早く作るために、、
職人の皆さん、「いかに簡単に、早く作るか?」と頭をひねりひねり一生懸命考えてくれました。
でも手でやる形として生まれたお豆スツールだったので、
かなりの部分が人力となりました(><)。
あれこれ私の物語を聞かされたり、擬音語の注文や、やり直しもあったり。
最後の難関は地獄ほぞ。入れたら抜けなくなるしくみです。
今回座面が薄めだったので、本当に難しかったことでしょう。
苦労かけたと思います。
必死で削った、磨いたこの数日、皆さんの背中がどんなに心強かったか、、!

自信をもって名作ができたと思っています。
本当にありがとう。いい仲間に巡り会えて幸せです。
(もういやと言われるかもしれませんが!)


「手でしかできない形を作れ。
木刀を作るといいんや。木刀は線の集合でできていて、線が途切れていたら刀にならへん。」
とは、お世話になった親方の言葉です。

日頃の制作は、機械加工がほとんどですし、
私は木刀は作ってませんが、お豆スツールはその言葉を常に意識しています。
お豆スツールは線の、いろんな楕円の集まりでできています。
ロクロ制作の脚との違いがお気づきでしょうか?
陰影の付き方、見え方が均一でないことは、とてもとても重要で、
最もこのスツールの「意味」となっています。

座面の起伏は控えめに砂の上に座った感じに。
座って持ったときの座面の持った感じはおしりを触ってる感じ。
数ミリだけ内側に反って、ちょっと歩き出しそうな感じを。
ちらっと見える胴付きも軽やかに見えるように。
いろんな気持ちと要素が合わさって形になってます。

お豆スツール、もっともっといい線が作れるように。

お待たせしている皆様、、ちょっとだけ何かつかんだ気がします。
でもいつも初心にもどって、作り続けたいです。
どうぞこれからも宜しくお願いたします。

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